DORAGON VERDE

Posted at 07/04/21


スキンヘッドのメキシコ人パッカー
その名は「ミゲル」
いかれた男だ。
今回の旅のために奴は3ヶ月前からテキーラに緑を漬け込んだスペシャルボトルを持参でやってきた。
とんでもない代物だった。
クッキー、ブラウニー、ラッシー、ピザetc
世にはハッピーなシェフが沢山いる。
ここにもまたいた。

俺たちは会ってすぐ仲良くなった。
最初のお互いのヨソヨソしさが良い。
こいつとは大丈夫かな?みたいな感じで
なのに本当は直ぐに本題に入りたい。
同志か確認出来れば話は早い。
話して5分でブラザーだ。
リアルデカトルセ、マルガリータ、サンホセデルパシフィコ、ウアウトラデヒメナス。
奴の旅先と俺の旅先がリンクする。
「お前も好きだなー!」
「タンビエン!」
話は大きく盛り上がった。
ストーン、グりフォ、ブリブリ。
いらん言葉ばかり教えあう。
ジャニスとレッドツェペリン、ボブとフィッシュ
ウォークマンのイヤホンを分け合う。
俺も盛り上がってきた、
旅先で音を分かち合えることは
肌を触れ合うことよりも
時折、心を動かす。
俺は話し出した

「いやー実はさっ昨日のクリスマス、スゲー可愛い子がいて目が合ったのよ、
そんでそのまま歩いたんだけど、また振り返ったらまだ見てるの!
あれっと思ったら手招きされちゃって、そんで俺も男の子だから気になるじゃん、
近づいて話しかけたの、でも俺日本人じゃんスペイン語難しくてさー、
そんで旅行用のスペイン語ガイドで色々話してたの、
そしたら、外も寒いから部屋の中で話そうって云われてさー!
バモスバモスってビルの階段上がって部屋に入ったのよ。
いやー来たね!これっ最高っと思ってドキドキしてたら、もうイキナリ見つめられて
Tシャツ捲られてちゃって、もうお手上げよ!そんで始まっちゃった訳、メヒカーナ半端なくてさっ、
もう攻められっぱなし服も全部脱いで無いのにカモ-ン!ってやられちゃって、
いやー最高のクリスマスだなって思ってたんだ。でもさー何か違うんだよ?何がって?
だからそのーなんて云うの穴がたぶん違うんだよ。穴がさー。
そんで一応チェックしたわけ、そしたらやっぱり違うのね!そんで上の方に手を伸ばしちゃったんだなっ!
あるんだよあるの!あれがっ!もうー頭真っ白、なんだーいったいなんだー何が起こってるんだ?
これは何だ?こいつは何モンなんだ、そして俺は何をしてるんだ?オイッ今日は神聖なイブだぞ!
俺だって今日教会行って少しはお祈りしたんだぞ!ファックユー!でもさー顔見るとスゲー可愛いの!
クリクリした目で見つめてるの、でもよく見ると少年の目なんだよ、
嬉しそうなの、俺もここで気合入っちゃってさっ!
究極の選択の瞬間ねっやるなら最後までだなって思ってやっちゃったのよ!もうダメ!!!
だって気持ちいんだもん…」

奴は大声を上げて笑った。

「ナオキー!」
奴は俺の肩を強く抱いた、分かってくれるかミゲル?
男のイナナキを、月に向かって吠える駄馬のイナナキを
奴は云った。
「グラシアスナオキ!今日はスペシャルデイだっ!俺はスペシャルドリンクを持っている。
今日初めて開けるんだ、一緒に飲もう!」
ミゲルはバックパックからボトルを取り出した。
メスカルのボトルの下に大量の何かが漬け込まれている。
「おいっミゲル、これは何だ?」
奴は満面の笑みで云った。
「MOTAだよモタっ!テキーラに3ヶ月漬け込んだんだ」
俺は最高に興奮した。
「これ名前あるの?」
「あーDORAGON VERDEって云うんだよ、ナオキコップ持ってるか?」
俺は灰皿兼湯沸しコップ、チベットからの相棒のステンレスコップを持ってきた。
そしてバルコニーでコップに水を入れ軽く濯いで外にまいた。
「ヘイっミゲル!」
俺は渡した。
奴はドクドク注ぐ、水面にはシードが3粒泳いでる。
「ナオキー!ムイボニートだろ、ほらっスイミングしてるよ!」
奴は子供みたいな顔で笑ってる。
どうしょもない奴だ。
だが俺の顔も見せられたモンじゃない。
「ナオキっサルーって日本じゃ何て云うんだ?」
「カンパイだよ」
「じゃーナオキから」
「カンパイ!クリスマスそしてミゲル」
俺はグイグイ飲んだ。
テキーラと緑の香りがそして味が鼻から胃袋まで染み渡る。
「カンパイ!ナオキそしてクリスマス」
奴はグイグイ飲んだ。
二人で300mlを3杯回し飲み。
こりゃーとんでもないしろもんだ。
俺は酒がずばり弱い、そしてミゲルに云う。
「おいミゲルー…俺明日9時から学校!いやー明日が楽しみだよ」
ミゲルは云う。
「明日学校っ?頭も冴えて勉強はかどるよ!」
奴はかなりうけてる。
「ミゲルはどこ行くんだ?」
「明日はこれ持ってモンテアルバンのピラピッド登るよ!」
俺はかなりうける。
バカだこいつは、本当にバカだ!どうしょもない。
バカに出会えた感動は大きい。
「えーっとこれ何て名前だっけ?」
「ドラゴンベルデ!」
「おー決して忘れねーよ!ありがとう」
そしてそのまま俺はぶっ倒れた。

東京ベルディVSドラゴンベルデ
同じ緑でも
勝者は後者。
俺もファンだしね。

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